美の配置

 牧山町を訪ねました。曇り空は酷夏の日射を遮る日傘で、なだらかに広がる棚田で実りはじめた稲穂が涼んでいた。

 さまざまにお話を聞いた後で、庭や家の付近を案内してもらった。そこで見つけたものに、わたしは惹きつけられた。

暗渠や水路の瓦礫のプランター

 山で暮らすということはこういうことなんだ、という感じがした。どこがどうしてそう思ったかはわからない。

 わたしがいままでプランターを探してさまよわせていた視線ではけして見つけられないプランターが目の前にあって、しかも、それは最良のプランターだった。イノシシの突進をものともせず掘削にも屈しない、そして、底から地面につうじている、しぶいプランターだった。

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