内川で暮らすなかで、聞き知ったいろいろな山菜の食べ方についてまとめました。

  1. こごみ
  2. かたくり
  3. せんな
  4. たらの芽
  5. コシアブラ
  6. うど
  7. わらび
  8. ぜんまい
  9. かたは

1. こごみ

 湿った草むらにいかにもおいしそうな濃い緑をして丸まっているこごみは、持ち帰って湯にくぐらせると色が曇った黄緑に変わる。ブロッコリーみたいにマヨネーズをつけて食べてもいいし、酢じょうゆ、あるいは三杯酢で和えてもいい、すりごまと砂糖じょうゆとあわせてもいい。だしをかけてかつおぶしを乗せてもいい。茹でずに天ぷらにしても優しい粘りが増してうまい。
 あるいは細かく刻んであんかけの具とするなんて上品なこともできる。

2. かたくり

 春先に青紫の花を咲かせるかたくりは、根から片栗粉をとるために採取されることはなくなっても、いまでもわたしたちの食卓を彩る山菜ではあって、やさしい甘みはとりこになる。茹でて、薄いだしをかけるだけで食べると甘みが感じられてうまい。酢じょうゆでも、酢だけでも。花や蕾が混じると、青い色が酢に溶けて色っぽくなる。

3. せんな(葉わさび)

 葉わさびの清涼な辛みと香りは、のんべえにとっては最良のつまみになるし、下戸には白米のおともになるから、どんな食卓でもなくなるのが早くて、どれだけ漬けておいても漬け過ぎということはない。白い花が咲いていても、まだ大丈夫、可憐な花に似合わず茎も葉もまだまだ辛い。

せんなの漬け方3つ

 せんなはうまく辛みを出すように漬けるのが難しいとよく言われる。

 あの、根っことしてのわさびもそのままでは辛くなく、むしろ苦いもので、辛みはすりおろすことで生まれる。細胞壁を破壊されることで、その内部から辛みが発生する、という話だった。だから、せんなも辛いものにしたいのなら細胞壁を壊してしまえばいい。ただ辛みがでたところで、美味しいかどうか。

 わたしも、いろいろと聞いて試して、今年ようやく自分の好みの味に漬けることができた。
 ここでは3つ紹介するので、試して、さらに、自分好みに調整してみてほしい。

(1)生の風味をいかした漬け方

 内川地区でも山の上の方の町、新保町のおばあさんから聞いた漬け方。

手順

  1. せんなを葉も茎も細かく刻む
  2. しょうゆ(あるいはダシ)と酢をかけて、軽く揉む
    (注)辛さを出したいからと強く揉みすぎると、苦みも出てきておいしくない
  3. 瓶に入れて、1日置いてから食べていく

 漬けはじめはやや苦みがつよく辛みがぼちぼちだが、日に日に辛みが強くなって、漬けてしばらくしたものは苦みも感じなくて、生だからこその香りも高く、おいしい。一番、せんなの風味がいきている。

(2)食べやすい味わいの漬け方

手順

  1. せんなを水切りに広げ、沸騰した湯をかける
  2. 食べやすい大きさに切り、水を絞る
  3. 瓶に入れて、寿がきやのダシ(これがいいらしい)を加えて、瓶を振り回す
  4. 一晩おいてから食べる

 湯をかけるとアクが抜けて食べやすい味になる。辛みもほどよく、バランスのいい味という感じ。

(3)つよく辛みを出す漬け方

 (1)と(2)の合わせ技。ほんとに辛い。

手順

  1. せんなを葉も茎も細かく刻み、水切りに広げる
  2. 沸騰した湯をひと回しかける
  3. ボウルに移し、酢としょうゆを回しかけて、一生懸命もむ
  4. 一晩おいてから食べる

 舌の奥まで刺さるように辛い。でも美味しい。ただ、色があまり良くない。

風味を生かした漬け方(奥)、食べやすい漬け方(右)、強い辛さの漬け方(左)

4. たらの芽

たらの芽のうまいとき

 初春の、若芽が外皮からわずかに顔を覗かせているくらいに小さいものはその小さな芽のうちを新緑の香りで満たしていて春のはじめの味がする。
 それより大きくなって芽が垂直に伸びて、わずかに葉が開きはじめたようなものも食べ応えがあって美味しい。
 いずれの時期のものも、天ぷらが美味しい。葉先の軽い食感も、茎のすこし粘りのあるところも、うまい。

でかいのにも良さがある

 だいたい、採りごろを逃してしまって、食べごろをすぎた山菜は、いままで周りの雑草雑木とは区別されて光って見えたのが、とたんに周りと同じ雑草雑木になってしまって、見向きもしなくなることがままある。しかしたらの芽は大きいものは大きいなりに美味しい食べ方がある。
 若芽が伸びすぎて、葉が噴水状に横に展開しているくらいに大きなものでも、蒸し焼きにすると天ぷらと違った味わいでうまい。とくに、山菜の時期の天ぷら三昧に食傷したころにはありがたい美味しいさがある。
 わたしはこれに水上勉の『土を食う日々』でであった。

「まだこの家が普請中だったころ、佐久町からきていた大工が、焚火にあたりながら昼食をたべていた時、のぞきにいって妙なことをしてるのに出あった。紙に何やらくるんで焼いているので、何か、ときいたら、
「たらの芽はこいつが一番だ」
という。休み時に山へ入って、うまそうなのを千切ってきたらしく、ぬれ紙につつんで、よく焼いて、携行してきた味噌につけてめしの上においているのだった。ほこほこと、湯気のたつのをみていたら、生つばが出た。これこそ、たらの醍醐味か。」

たらの芽の蒸し焼き

  1. たらの芽の硬い部分を切り落として、簡単に洗い、濡れ新聞で包み、その上からアルミホイルで包む。
  2. トースター、あるいは、ストーブの上、焚き火、なにかしらで加熱してやる。
  3. 匂いと湯気がもれてきて、がまんができなくなったら、アルミホイルと新聞紙から取り出す。
  4. 味噌をおおめに塗ったくって食う。狐色や焦茶色みたいな、田舎臭い味噌が美味しい。

(注)大きすぎるたらの芽には茎に棘があり、えぐみも強いので、葉先だけ切って食べるなどして、茎のすえは無理してたべない方がいい。

濡れ紙、ホイルで包んで焼く
湯気の先の先まで匂いが広がる
味噌を塗って召し上がれ

5. コシアブラ

6. うど

7. わらび

8. ぜんまい

9. かたは(みずぶき、よしな)