火のつけ方
手順(1)燃えやすい燃料を詰める
丸太ストーブにあけられたL字の穴の角に燃えやすい燃料を詰めます。このとき、ぎゅうぎゅうにつめて、L字の穴の空気の流れを遮断しないように注意してください。
手頃な燃料としては、乾いた杉葉、木屑、枯葉、枯草などがあります。細く割った薪でも構いません。
手順(2)横穴から火をつける
横穴から(1)で詰めた燃料に火をつけます。このとき、炎が奥へ奥へ吸い込まれていき、上穴から煙がのぼっていくか様子を見て、L字の穴をしっかりと空気が流れているかを確認してください。
手順(3)燃料をくべる
空気の流れに注意しながら、燃料をくべます。流れを見出さないようにすれば上穴から落としても、横穴からいれてもかまいません。
手順(4)丸太ストーブ自身に火がつくまで繰り返す
一度ではなかなか丸太ストーブ自体には火がつきません。火が消えてしまったら、諦めずに、上穴から安定した炎が噴き出るまで、再度手順(1)〜(3)を繰り返してください。
固形燃料、あるいは熾した炭を使用すれば、おそらくもっと簡単に着火できるはずです。
料理のための使い方
杉丸太ストーブは、上部から吹き上がる炎で料理することもできます。ストーブは横と縦のL字の穴が煙突の役割を果たして効率的に燃焼しているため、フライパンや鍋などで上部を塞がないように、底上げする必要があります。
簡単に底上げする方法は二つあります。
底上げ方法(1)石を置く
ストーブの上面に三つの石を置くことで、かなえの代用にできます。
その辺の石を拾ってきて、いい塩梅で設置してみましょう。
この方法のデメリットは、あまり高さがかせげない点にあります。そのため、丸太ストーブの炎が大きくなるにつれ火力が強くなりすぎる可能性があります。強火で加熱する料理では問題ないでしょう。
底上げ方法(2)釘を打つ
丸太ストーブ上面に適当に釘を三つ打ってみましょう。鍋を置くことができるようになります。
釘を打つこの方法では、高さを調整することができます。ただし、一度打ってしまうとなかなか高さを変えることはできません。高さを変えたい場合は、(火傷しないように気をつけて)一度釘を抜き、再度別の場所に打ちつけて高さを変更しましょう。
細すぎる釘では火力でやわくなり、鍋の重さにたえられず折れる可能性があります。じゅうぶんに太い釘を使いましょう。
料理例:土鍋鶏
『亡命ロシア料理』というすばらしい本に、
「鶏肉の大きなかたまりと乱切りにしたタマネギを用意する(鶏肉400グラムにつきタマネギ中二個)。鍋の底にバターの小さなかけら、月桂樹の葉、粒胡椒、鶏肉、タマネギを入れる。水は一滴もいらない!塩を振り、弱火にかけて、その場を離れる。」
と作り方が説明されて、「1時間半もすれば素晴らしい料理ができあがる」とあります。わたしたちはよくこのどこまでも簡潔で美味しい料理を、土鍋を使用し弱火にかけてつくりますが、今回はスキレットを丸太ストーブの火にかけて作ってみました。
火にかけて5分もするとパチパチと野菜が焼けていく音がしはじめ、20分ほどでスキレットの重たい蓋の隙間から湯気が漏れてきて、バターの香ばしい香が白煙の咳き込む匂いに混じりだしました。火にかけてから40分後に蓋をあけると、完成して、鶏肉も野菜もほろほろになっていました。
*注意*
直火で食物を加熱して食べることはお勧めしません。かならずフライパンや鍋などの調理器具で料理を行なってください。
直火で焼いた食物は、杉の煙で燻され、煙たいイヤ〜な匂いが付着し、また、木酢液で酸っぱくなり、舌がしびれます。煙にはホルムアルデヒドなど有害物質も含まれています。ご注意ください。